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help リーダーに追加 RSS 夏なので……「くゎいだん」 その1

<<   作成日時 : 2008/08/19 21:58   >>

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朝晩、多少涼しくなってきたとはいえ、まだまだ暑いので、ちょっと涼しくなるお話を……。

ボクの仕事は家電製品の派遣販売員です。
色んなメーカーの色んな商品を販売するために、色んな地域の色んな店に行くのですが……。

今から10年ほど前。
K地方H県K市にあった電器店に入っていた時のことです。

その時、ボクは70代くらいの老夫婦に、テレビの説明をしていました。
老夫婦はとても感じの良さそうな方で、熱心にボクの説明を聞いてくれたので、ボクも出来るだけ丁寧に、親切に説明させてもらっていました。
説明し始めて少したってから、ボクは左側から刺すような視線を感じました。
ただ、接客中なのであからさまに目をそらすことも出来ず、そのまま説明をし続けました。
そのうち、左目の視界の端、見えるか見えないかのところに、人影が見えました。

5歳くらいの男の子。半ズボンに運動靴。頭には野球帽をかぶり、胸の前にサッカーボールを抱えています。

さっきからの「刺すような視線」の主は、どうやらその子のようです。
最初は、接客している老夫婦のお孫さんかと思いました。
でも、それにしては格好が「昭和」だし、視界ギリギリのところとはいえ、そんな小さな子が身じろぎひとつせず、じーっとこちらを見ているっていうのも変だなぁと感じたのですが……。
余りにも気になるので、老夫婦に、

「大画面のテレビの方が、お孫さんがゲームされたりするのに、迫力があっていいですよ」

と振ってみたところ、

「いや〜、ウチの孫はみんなもう大きいんで、ゲームなんかしませんよ」

と答えられました。
んっ? となると、あの子はこのご夫婦のお孫さんじゃない??
そう思って、男の子のいる方にチラリと目をやると……。

誰もいない……。

あ、気のせいだったかと思い、もう一度商品、そして老夫婦の方に目を向けると、やっぱり視界ギリギリのところに男の子の姿が見える。
でも、ちゃんと目を向けると、見えなくなる。
また目を戻すと、視界の端に見える。
それを何度か繰り返しているうちに、男の子の姿は見えなくなりました。

「よく電器屋にある等身大パネルってやつじゃないの?」

そう思う方も多いでしょう。
ところが、ボクの左側は、マッサージチェアのコーナー。さらにその向こうは照明器具コーナーで、少年の等身大パネルはもちろん、人が写ったポスターすらありませんでした。

接客を終えてすぐ、ボクはこの店の女性社員Kさんのところへ行きました。
Kさんは霊感が強いらしく、

「この店には子供の幽霊がいる。何度も見た」

と言っていたので、確かめに行ったのです。

「Kさん、この店、子供の幽霊がいるって言ってたでしょ? どんなカッコしてる?」
「ん? あぁ」
と、Kさんが見た子供の幽霊の様子を話し始めました。

5歳くらいの男の子。半ズボンに運動靴。頭には野球帽をかぶり、胸の前にサッカーボールを抱えてる。

「妙に『昭和』な感じの子?」
「うん。そんな感じ」
「やっぱり……」

ボクはさっき売場で見た子供の様子を伝えました。

「それ、間違いないと思う。へぇ〜っ、降りてきてたんや」

Kさんによると、その子はいつもは3階の倉庫にいるらしいのです。
以前、倉庫に上がった時に、サッカーボールをぶつけられそうになったということでした。

H県K市というと、震災で多くの犠牲者が出た場所です。
もしかしたらその犠牲者かと思ったのですが、どうやらそうではないようです。
Kさんによると、もっと前からいるっぽかったので、ちょっと調べてみると、昭和の時代にはこの店の裏に学校があったとか。
年格好から判断して、その学校に通うはずだったのに、何らかの理由で亡くなってしまった子ではないかというのが、Kさんの意見でした。
以後、その店には数ヶ月間在籍しましたが、男の子の姿は全く見ませんでした。
Kさんもその間は見ていないそうです。

彼は何を伝えたかったのでしょうか?
ボク、もしくはKさんには、彼のために何かできることはなかったのか?
少し心残りではありましたが、任期満了とともにその店をあとにしました。

その店が入っていた建物は今でもありますが、今は電器店ではありません。
その後、彼がどうなったのかもわかりません。
もしかしたら、今でもあの建物の3階で、誰かが学校へ連れて行ってくれるのを、ずっと待ち続けているのかも知れません……。

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